2003年のマーリンズは、本当にいいチームでした。


ピエール、カスティーヨの機動力。


リー、ローウェルのパワー。


ゴンザレス等の鉄壁の守備。


新人王ウィリスを始め、

ベケット、カブレラなどの若手の活躍。


そして、今の野球界で一番完成された捕手、

イバン・ロドリゲスがいました。


自分が見た事のある中で、

一番好きな野球チームかもしれません。


ヤンキーズを倒して優勝してから2年。

ワールドシリーズでプレーした20人に、

怪我をしていたバーネットを加えた

21人の行方を追ってみました。

(ポジションはワールドシリーズでのもの)


捕手イバン・ロドリゲス 

 タイガーズとFA契約(2年前)


一塁手デリック・リー 

 カブズへトレード(2年前)


二塁手ルイス・カスティーヨ 

 ツインズへトレード(今)


三塁手マイク・ローウェル 

 レッドソックスへトレード(今)


遊撃手アレックス・ゴンザレス 

 FAで移籍予定(今)


左翼手(指名打者)ジェフ・コーナイン 

 FAで移籍予定(今)


中堅手フアン・ピエール 

 カブズへトレード(今)


右翼手(左翼手)ミゲル・カブレラ 

 残留


代打(右翼手)フアン・エンカルナシオン 

 ドジャーズへトレード(2年前)

 マーリンズへトレード(去年のシーズン中)

 FAで移籍予定(今)


代打トット・ホランズワース

 カブズとFA契約(2年前)


捕手マイク・レッドモンド

 ツインズとFA契約(去年)


先発投手ブラッド・ペニー

 ドジャーズへトレード(去年のシーズン中)


先発投手マーク・レッドマン

 アスレティックスへトレード(2年前)

 パイレーツへトレード(去年)


先発投手ジャッシュ・ベケット

 レッドソックスへトレード(今)


先発投手カール・パヴァーノ

 ヤンキーズとFA契約(去年)


中継ぎ投手ドントレル・ウィリス(本来は先発)

 残留


抑え投手ウゲト・ウルビーナ

 タイガーズとFA契約(2年前)


抑え投手ブレイデン・ルーパー

 メッツとFA契約(2年前)


中継ぎ投手リック・ヘリング

 ツインズとFA契約(2年前)

 放出後、レンジャーズとFA契約(去年のシーズン中)

 放出後ブルワーズとFA契約(昨シーズン中)


中継ぎ投手チャッド・フォックス

 カブズとFA契約(去年)


先発投手A.J.バーネット

 ブルージェイズとFA契約(今)


2006年のマーリンズには、

2003年に優勝した選手が2人しか残らない事になります。

(カブレラとウィリス)


まず、書いておきたいのは、

これは普通にあることでは無いという事です。

これだけを見て、メジャーの選手は動いてばかりだ、

と言う結論を導かないで下さい。


日本のプロ野球よりは確かにメジャーでは移籍が多いですが、

それでも異常な数の主力を放出している裏に、

マーリンズの厳しい台所事情があります。



マーリンズのホーム、ドルフィンズ・スタジアムは、

アメフトとの兼用スタジアムなので、

野球のファンに優しいとはいえない設計です。


しかも、雨の多いマイアミで屋根の無い球場。

優勝しても客があまり増えなかったのは、

仕方なかったのかもしれません。


開閉式の屋根をつけた野球専用のスタジアム建設を

マイアミに申請したのですが、却下。

選手を放出して費用を削減しながら、

移転の可能性も模索しているそうです。


ミゲル・カブレラとドントレル・ウィリスは、

20代前半で、MVP候補とサイヤング候補の2人ですから、

チームの核としてはこれ以上の選手はないでしょう。


そして、数々のトレードで、

多くの有望な若手選手を引き換えに獲得しました。


それでも、今から数年間は、

優勝の狙えるチームでいられるとは思えません。



最近3、4年、

自分が好きなメジャーリーグのチームのトップ3は、

カーディナルズ、マリナーズ、マーリンズで

定着していたんですが、

(好きな順番は結構コロコロ変わっています)

マーリンズが脱落してしまいそうな気がします。



追記:

大事な事を書き忘れていました。


マーリンズが97年に優勝した後は、

さらに派手な解体劇がありました。


その後、経営陣が変わっているんですが、

やはり球場をどうにかしないと、

強豪チームをサポートできる地盤は無いようです。



最後に、忘れてはいけない監督。


先月75歳になったジャック・マキオンは、

昨シーズンを持って監督を引退。

マーリンズのフロントのポストに付きました。